“オモロイ場所に引っ越し、みんなでオモロイ地域をつくっていく”
元は梅田のオフィスビルに事務所を構えていたJOCA大阪。地域の人々と接する日常を求め、下町人情が残る地域へ引っ越しがはじまった。
引っ越し先は商店街に隣接する築50年の文化住宅(長屋の木造アパート)が選ばれる。クリーニング店・スナックほか、商いの名残が残ったやや寂しい情景は、商店街全体からも感じられた。
まちかどの1室で商いを続けているお花屋さんの旦那。その近所に住む紫パーマのおばちゃんと愉快な仲間たち。お向かいの串カツ屋店主の明るい兄ちゃん。放課後を楽しんでる子どもたち。
現地調査時からステキな出会い(いい意味で巻きこまれた)があり、設え方・進め方のアイデアにつながった。
“地域に開かれたオープンなオフィス”を目指すため、改修計画は「建築工事」と「地域参加型の日曜大工(セルフビルド)」と分け、オープン前から地域の人たちとつながるキッカケづくりにチャレンジした。
間取りは多用途に応えられるよう、間仕切り壁を解体し、3室をひとつの“がらんどう”に。日曜大工では地域の図工室のように使われていく。
リノベーションと共に、家具や内装は地域の人たち、JICA隊員のOB・OG、JOCA職員のべ約100人による“日曜大工”でつくられた。すし職人、花屋、定年シニア、脱サラ青年、大学生…。個性豊かな人たちとつながりが生まれた大切な時間になった。
ご近所さんが考案した「メダカが泳ぐテーブル」は、JOCA大阪に子どもが集まるようにと粋なお心から。
カフェ機能を備え、地域の人たちが各々好みの場所を見つけ、くつろげる空間構成とした。前面道路は私道のため決まった数台の車しか通らなく、広場にいるかのように小学生がダンスの練習をしたり、イベント時はエントランスのような使われ方がされている。
2階の住居スペースだった4室は最小限整え、将来のために準備中。
随所に結ばれている民族柄の布はJOCAの隊員たちが世界の国々から持ち帰ったもの。おかげさまでステキなチームとプロジェクトに取り組めた。
下町人情が残る地域に馴染むよう日曜大工の材料は、古い木パレットを提案した。新建材より安価で、失敗しても「むしろ味だね」ってみんなで笑い合えちゃうような、人の本質を現してくれるトリガーと期待し、ひとつひとつストーリーを込めて選定した。一緒に作成した“古い木パレットの家具レシピ”が様々なキッカケをつくったり、とても嬉しい体験ができた。
今後も“人つながりと創造の拠点”として、地域に浸透していきますように。
■JOCA大阪|大阪府摂津市正雀町1丁目20-7|2018.7.open